さわっても熱くない花火

ちょっとした驚きを食べながら生きています

夏にMIRAI(例の水素カー)が割安だったので借りて遠出したレビュー

今日も今日とて下書きに残されたネタを放出してます。
最近新型が出て話題になっているMIRAI(ミライ)。新型すごく良さそうですよね。どっかのタイミングで試乗しに行かないとなぁ。

yanoshiです。今年こそは車を買おうと意気込んでいる今日このごろです。お財布さん…がんばってついてきてほしい…

昨年も例年同様にカーシェアリングを活用した1年でした。電車乗りたくないし。しらんけど。
タイムズカーシェア(当時のタイムズカープラス)から始めた私のカーシェアリング遍歴でしたが、近頃は色々な車を運転できると言う理由からカレコを多用していました。

yanoshi.hatenablog.jp

さて、そんなカーシェアリングですが、1回目の緊急事態宣言が明けて以降様子が変わってきます。 そうです。驚くべきほど借りれなくなったんです。緊急事態宣言の間とか、しばらくたった辺りとかは、むしろ空いていたんですけどね。

ということで他のカーシェアリングサービスを使い始めました。他と言っても私の家の周りでの個人間カーシェアじゃないサービスの選択肢は、オリックスカーシェアとEveryGoくらいしか無いのですが…

everygo.honda.co.jp

幸いにもEveryGoは年会費無料で、なおかつまぁ歩けば行ける距離に駐車場がたまたまあったので便利に使っています。 Honda eに乗ってみるために登録したのですが、これは良い棚ぼたでした。

問題はオリックスカーシェア。「流石にもう会費は払いたくないなー」ということで、dカーシェア経由で使い始めてみました。dカーシェア便利ですね。車所有し始めたらカレコの契約は年会費の掛からないやつにして眠らせようかな?と思っちゃいました。

carshare.dmkt-sp.jp

閑話休題

さて、MIRAIの話です。
ぼーっとdカーシェアのアプリを見ていたら、今年の3/31までMIRAIが格安で借りれると言うキャンペーンが目に止まりました。 色々な車には乗ってみたものの、燃料電池車はまだだったので「これは借りてみるしか無い!」ということでそれなりにドライブしてみることに。

するとどうでしょう?なかなか乗り心地の良い車じゃないですか! 「良いね!」ってことで、長時間借りて実家への帰省に使ってみました。そんな話。

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MIRAI

MIRAIについて

トヨタがかなり頑張って作った燃料電池自動車です。まさかほんとに燃料電池自動車が市販車で出てくるとはって当時は思いました。

ちなみにこの販売価格は、ドイツの自動車メーカーに「ゼロ1個間違っている。7000万円だろ」と言わしめたという

トヨタ・MIRAI - Wikipedia

そして、ついに先日2世代目がリリースされ、なかなかの評判のようです。 今回はモデルチェンジ前の1世代目の話です。

オリックスカーシェアでのMIRAIのキャンペーンについて

オリックスカーシェアでこんなキャンペーンをしているのはご存知でしょうか?

f:id:yanoshi:20210112235951p:plain f:id:yanoshi:20210113000052p:plain 【公式】オリックスカーシェア | 燃料電池車「MIRAI」キャンペーン

まぁなかなかに安い。かつ都心だと割とMIRAIが設置されているステーションがあります(我が家から徒歩圏に1箇所、自転車で10分のところにも1箇所)

思い返せば初めて運転した電気自動車の旅もオリックスレンタカーでした。 もう7年も前かーびっくりー

yanoshi.hatenablog.jp

dカーシェア上での上記キャンペーン

このキャンペーン、ちゃんとdカーシェア上でも展開されています。やるじゃん。最高じゃん。

carshare.dmkt-sp.jp

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若干オリックスカーシェアと比較すると高いですが、それにしてもまだ割安感があって素敵です。

車のレビュー

だらだら思ったことを書いておきます。

気に入った点

全体を通してポジティブな印象を持っています。 わけのわからない(褒めてる)初出なエネルギー源を利用する車なのに、既存車と同じような運転フィール提供しているのは「さすがトヨタ!」という気持ちです。

高い剛性

高速域でも安定した操舵性があります。 FCスタックにかなりお金を掛けているだろうに、ちゃんと当時の値段相応の操舵性になっている辺りは、水素を積んでいる事ゆえの堅牢性向上に伴う剛性強化の効果なのかなーと思いました。

しっとりとした乗り味

ロードノイズもうまく拾わず、段差もいい感じに処理しています。 見た目はなんとなくプリウスを彷彿とさせますが、新MCプラットフォーム(SAIとかのアーキテクチャ)ですし、FCスタックを搭載するための剛性向上等々が生きているのかもですね。

シートもなかなかイケてる座り心地なので、色物なのに公用車として貴賓を乗せても失礼のない車なのかな?とは感じました。

「ローマ教皇フランシスコ台下来崎記念 特別展示」のご案内 | 長崎県

当然ながら静か

2014年の車としてはかなりの消音処理をしているような気がします。かつモーターですからね。そりゃ静かですよね。

イマイチな点

2014年の車だというところはあるのですが、ちょっと思うところはありました。

パーキングブレーキが電子パーキングじゃない

パーキングブレーキがフット式です。 なぜ電子パーキングにならなかったのだろう?不思議。

この価格帯の車なら…という気持ちがあります。 あえて付けなかった技術的な理由があるのでは?という勘ぐりをしてしまいます。

回生ブレーキがTHSっぽい

「モーターしか無いんだよね?ホントに?」って感じなくらい良く出来たTHS*1っぽいブレーキングを提供してくれます。

逆に言うとモーターらしい楽しいガンガン回生充電するような走行ができません(いわゆるワンペダル的走行)

これはなんというかトヨタの車全体に言えるとは思うんですけど、万人が運転してもとりあえず運転できる運転フィールを提供しているんだなーってひしひしと感じさせられます。

「どうせ攻めた車なんだからもっと過激にしても良いじゃん!」と思うとともに、「どうせ公用車としてくらいしか売れないだろうし、万人に受けたほうが良いでしょ」という思いも湧いてきます。難しい。

モーターらしいトルク感がない

これも後述の通り。もっとパワフルなモーター積んでも良いのでは?みたいなね。

ただFCスタックの制御を考えると「ほしい時にほしい電力量」を取り出すのはきっと難しいだと思うので、これは仕方がないのかもしれませんし、そもそもこの価格にするために相当に取捨選択をしているはずなので、なるべく既存汎用具材を使いたかったみたいな思いもあるとは思います。

ただ、リチウムイオン積んでるんだからもっと使いまくっても良いのでは?とは思いました。

走行距離がちょびっと辛い

詳しく後述しますが、フル充填で400kmも走りません。 JC08で700km(82MPaでの充填時)なので、まぁこんなものかな?とは思いますが、日本全国でまだ100箇所程度しかない水素ステーションでしか充填できない車において、この走行距離はかなり厳しいなという感想でした。

FCCJ 燃料電池実用化推進協議会 - 商用水素ステーションの普及状況

試し乗り

ここからが本題です。とは言え興味がない人いっぱいいると思うので、結果だけ見たい方は後まで飛ばしましょう。

とりあえず試し乗りの際の様子をメモっていきたいと思います。 福島に行って筑波で1泊して千葉行って帰ってくる800km程度のドライブです。*2

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試し乗りの経路(1日目)

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試し乗りの経路(2日目)

1回目の充填

借りた時点で満タンではなかったので、長距離ドライブに備えて充填します。

調べたところ、どうやら燃料電池自動車の「満タン」は供給側の性能によって複数あるみたいです。 よく考えたら水素は液体ではなくガスとして供給されるので、供給側が弱い圧力しか出すことが出来なかったら、タンクの最大許容量まで詰め切れないという話らしいです。

ということで、都内で最大規格の圧力(82MPa)を出せる充填ステーションを探します。 なんかさっと検索できないもやもやが募るのですが、とりあえず「イワタニ水素ステーション芝公園」は82MPaの出力に対応してそうだったのでここで入れてみることに。

エネルギーステーション建設:エネルギーステーション建設事業/事業案内 | トキコシステムソリューションズ株式会社

ちなみにトヨタの公式マップではちゃんと「充填可能圧力」が記載されています。圧力についてはトヨタのサイトで見ることにしましょう。

イワタニ水素ステーション 芝公園

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充填の様子

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コネクタの様子

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水素ステーション本体 (割とガソリンスタンドのそれっぽい)

数分程度は充填に時間が掛かるということで、ステーションの隣りにあるショールームを見学させてもらいました。新型ミライのコンセプトカーも置いてありました。暇つぶしには良いコンテンツでした。

ちなみにカーシェアリングにありがちな「給油カード」の類似品はイワタニのものがついています。それ以外のところで充填した場合は、後でオリックスカーシェアとやり取りし、領収書を送付することで返金してくれます。ちょびっと面倒くさいので、できればイワタニで完結させたいところですね。

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充填後の走行可能距離

さて充填後の様子はこんな感じです。「JC08で700kmじゃなかったの!?」ってツッコミを入れたくなりますが、まぁこんなものでしょう。ちなみにここに表示される数字は結構信頼できる数字だった事がその後明らかになります電気自動車みたいに高速走行時にガンガン減って行く…みたいな挙動はあんまりしないんですよね。これはFCスタックの変換効率と関係しているのかも?

2回目の充填

2回目の充填は福島のステーションでした。200kmちょい走ってたどり着きました
なんで福島に行こうかと思ったのかと言うと、個人的に割と東北旅行は好きなので、それに耐えうる車かどうかを知りたかったってのがあります。

いわき鹿島水素ステーション

ここも幸いなことに82MPaに対応しているステーションでした。 が、イワタニの系列ではないので、車載のカードは使うことが出来ませんでした。残念。

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充填の様子

ちなみに、水素ステーションは営業時間が割とシビアなのでドキドキしながら向かっていました。

www.youtube.com

0.57kgから0.84kgまで13秒で充填出来ているので、1.25kg/sくらいの充填速度といったところでしょうか?
初期型MIRAIは4.6kgまで水素を充填できるらしいので、仮に空の状態から満充填まで行おうと思うと3.68分程度掛かることになりますね。
ちなみに当然圧力制御はこまめに行われているようなので、実際はもっとゆっくり入っているときともっと早く入っている時がありました。なのでまぁやはり充填には5分程度は見ておいた方が良いのかもしれません。

5分と言うと長いように感じるかもしれませんが、ガソリンの給油にだってなんだかんだ数分はかかりますし、電動車のエネルギー補給としてはかなり高速だとは思います。 この圧倒的スピードこそが燃料電池自動車の魅力ですね

3回目の充填

残念ながらメータ-を撮影することを忘れていたのですが… 都心にはやはりいっぱいステーションがありますね。

ENEOS 千葉幕張水素ステーション

結果と所感

総合燃費は86.9km/kgだったらしいです。4.6kg*86.9km/kg=399.74kmなので、初期に表示されていた数字は割と的を得ていたようです。

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燃費と走行距離

結構余裕を持って充填を繰り返したわけだったのですが、一応東京大阪間も名古屋等で充填すれば可能だという手応えが得られました。 そんなこんなでその次の旅に挑むことにしました。

ちなみに、八溝山に行ったのですが、とてつもない霧で「中世にタイムスリップした車両」的な雰囲気になっていましたw

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ボツンと佇むMIRAI

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晴れ渡る霧

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場違い感

その後実家に向けて1300kmくらい走ってみた

東京-大阪(奈良)間の長距離ドライブ辺です。 淡々とどれくらい走れたかを晒していきます。

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往路情報

往路(計509km)

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往路のオーバービュー

1回目の充填

毎度のように出発時に充填しておきます。 近所にあるENEOSのスタンドで補給しました。

ENEOS 東京目黒水素ステーション

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411km走るとのこと

人を拾いつつ愛知に向かう

同郷の友人達を拾いながら感染対策しつつ愛知に向かいます。

2回目の充填

名古屋の手前で補給しました。さすがトヨタのお膝元ということもあって、たくさんのステーションがあります。

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334.9kmを走行

イワタニ水素ステーション 愛知刈谷

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給油ランプ?のついたMIRAI

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補給量は4.1kg

新東名で割とぶっ飛ばしたのですが、334.9km/4.1kg = 81.7km/kg ということで、前回の旅の86.9km/kgとあまり遜色のない結果となったことが分かります。 何度も記載していますが、この辺りが燃料電池自動車の面白いところかもしれません。

3回目の充填

行きの最後は大阪で充填。数日間実家周辺(奈良)を走る予定があったので、あまり補給するほどではないかな?と思いつつ念の為補給しておきました。

イワタニ水素ステーション 大阪森之宮

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走行距離:173.6km / 燃費:93.8km/kg

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刈谷から森ノ宮

復路

実家周辺で100km近く走った後のスタートです。

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復路情報

4回目の充填

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ピックアップしつつ桶狭間とか眺めつつ移動

さて今回はギリギリでした。また刈谷で補給です。

イワタニ水素ステーション 愛知刈谷

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もはや空なのでは?って思うような状態

一応まだ走行距離が出ていたので、少しは残っていたとは思いますが、ガス欠になると燃料電池自動車ってどうなるんでしょうね… 毎度のことながら電動車を運転するとギリギリを攻めてしまう癖があるようです;

最後

さて、刈谷からはまっすぐ東京へって感じです。

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東京まで

最後の補給は撮り忘れたものの、こんな感じの状況でした。

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走行距離:369km / 燃費:88.6km/kg

お値段

さて、カーシェアリングとして払った代金は4日借りて、距離料金込みで44300円でした。 ガソリン車で1300kmも走れば、ガソリン代は10000円弱は超えてくるはずなので、1日9000円程度で車を借りたと思えば、まぁ普通かなって感じですね。

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お値段

本来の燃料コストについて

とりあえず、最初と最後の補給分については抜いて考えます。

その間の走行距離は904.6kmで、それに対して10.3kgの水素を利用したようです。

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レシートたち (復路の刈谷での補給時にエラーが出て2枚に分かれてしまった)

そして水素の値段はイワタニでは1100円/kgのようです。なので904.6km移動するのに11,330円の燃料代が掛かっていたということになりますね。

岩谷産業、水素の価格を1kg当たり1100円に決定…ハイブリッド車並を実現 | レスポンス(Response.jp)

近頃ガソリン代は安いこともあるので、仮にレギュラーが125円/Lだとしましょう。だとすると11330円だと90.64Lのガソリンが買えるので、ガソリン車(HV車)換算だと904.6km/90.64L=9.98km/Lという結果に。 仮にレギュラー140円/Lだったとしても11.18km/Lなので、なかなかにコスパが良くないですねー。

現状、思ったよりも水素は高いみたいです。

この辺りは需要と供給の問題なんだろうとは想像しますが、トヨタの同サイズのHVカーと比較するとしても、半額程度の値段にならないと燃料費という意味合いでの「エコ」にはならなさそうですね。

乗って分かった気をつけるべき点

走ってるだけですごいとは思うものの…欲張りなので色々と思うところはあります。

なるべく充填力の高いステーションで補給しよう

表題のとおりです。82MPaのところをなるべく狙いましょう。

とばしても、とばさなくても、そこまで燃費に影響は出ない

この辺はちょっとガソリン車ライクで好感が持てます。

空気抵抗は速度の2乗に比例するはずなので、どの速度域でも同じパワーを出せる電気自動車は、ぶっとばすとすこぶる燃費が悪くなる傾向にあります。

一方でガソリン車は高速域の方はエンジン負荷を掛けずに「美味しいところ」で回すことができるので、基本的にはちょっと高い速度域に高燃費なスポットがあったりします

FCスタックもおそらく「ちょっと多い電力量を取り出す」って時に美味しくなるのかもしれませんね。よく調べてないので想像ですが…

ガソリン車ほどの走行距離は走らない

JC08なんてやっぱり信じられないというのが素直な感想です。 純粋なガソリン車だと満タンで400km~500km程度走行できる様に最近の車は作られているイメージが有るのですが、ガゾリン車と同じような雰囲気で走行計画を立てると痛い目に合うでしょう。

しかしながら後述しますが、おそらく新型MIRAIはその点が解消されてるのではないかと想像しています。

水素ステーションは少ない

これは「知ってた」って感じではあるのですが、それにしても少ないです。 過去リーフで移動したときよりも更にインフラは整ってない印象でした。まぁ建設コスト高そうだし仕方がないんだけどさ…

水素ステーションの営業時間が短い

実はステーションが少ないよりもこちらのほうが深刻な課題なように感じています。

私は割と距離を走るのがそんなに億劫では無いので、正直充填のためにちょっと大回りしたりすることはあまり苦にはならないでしょう。 しかしながら、いざたどり着いたときにはすでに営業していない…となると話は別です。完全に詰みますからね。

現状の水素ステーションは平日しか営業していない場所が多く、かつ昼間営業のところばかりで24時間営業の場所は一箇所もありません。 充填計画はそれまでも踏まえた上で建てる必要があり、車の本来の良さである「いつでも移動できる」という一面を封印せざるを得ない気がしました。

一応はセルフの水素ステーションを用意できるように法整備を進めているようですが…

この辺りの部分が一番ネックなのかも?と思いました。

所感

さて、ダラっと色々と書きましたが、概ねMIRAIというクルマそのものに対してはポジティブな印象を感じました。2000km近く今回運転したわけですが、乗り心地も良く運転もしやすかったため結構好きです。 走行距離は心もとなかったものの、それはリーフの旅を思い起こすと比較できないくらいマトモでした。色物な車だと思うのですが、それでいてこの完成度というのはさすがトヨタって感じですね。

新型MIRAIでは、この走行距離の問題もかなり改善されている雰囲気がしています。 新型MIRAIは水素タンクが5.6kgに増量しているため、旧型MIRAIと同様の燃費(87.82km/kg)だったとしても491.82km走れる計算ですし、FCスタックの性能向上も10%程度らしいので541km程度は走るようになっているのかな?と想像していたりします。
EPA換算でも650kmらしいので、上記の値は割と実燃費に近い推定かもしれませんね。ここまで走ってくれれば、やっと「ガソリン車と同じくらい走るつもりで走行計画が立てれる」と言えたものです。現状ピュアな電動車かつ補助金を考慮した上で500万円前後で乗れる車で「補充無しで実際に500km以上走れる」ってのは無い印象があるので、もし新型MIRAIがそれだけ走るのであれば嬉しい話題だと思いました。

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402マイル=646.956km

引用元: 2021 Toyota Mirai Fuel Cell Vehicle | Innovation is Power


間違いなくトヨタはこれでやっと「燃料電池自動車は現実的だよ!」と言えると思いますし、このレベルにまで持ってこれた事はすごいことだと思います。

さて、しかしながら水素にはインフラ面が整っていないという課題もあります。

ただこの面もおそらくこれから5年くらいでだいぶマシになってくるのかな?と思っていたりします。ちょうど昨年新型MIRAIの登場とともに「水素バリューチェーン推進協議会」なる団体が出来ましたし、割と本気で頑張っていくのかな?とは思ったり。東京ではだいぶ燃料電池バスを見かけるようになりましたしね。

ここは私もまだ調査不足でよく分かっていないのですが、アンモニア火力発電(カーボンフリー火力発電?)の道筋がついたことによって、一気に日本の水素社会への活路が見えてきた…とか云々インターネットで見たような気もしており、なんか流れを感じます。

イーロン・マスク氏は燃料電池を馬鹿げていると以前批判していましたが、あれはまぁポジショントークなんだろうなーと想像しています。 現実問題仮に電動車メインの社会となったとしても、現状のリチウムイオン電池や電力インフラに需要を満たせるだけのパワーがあるかというとそれは疑問ですし、おそらく複数の選択肢が生まれてくるのかな?と思っていたりします。

そのうちの1つにきっと燃料電池があることでしょうし、今の所トヨタやおそらく日本政府はそれに多くを掛けているみたいです。まぁ悪くない選択肢じゃないように見える程度にはやっと色々と整ってきたんじゃないでしょうか?

なにはともあれ、個人的には電動車のトルキーかつきめ細やかな電子制御と静けさが結構好きなので、今後も各社頑張ってほしいなーって雑感を持っています。 とりあえず新型MIRAIを試乗してみたいなぁ…

余談: 発生した水はどうなるのか

こんな感じで排出されます。

走行中も溜まったら出るみたいですが、排出ボタンもあるので強制的に出すことも出来ます。ウケる。おしっこじゃん。

*1:トヨタハイブリッドシステム

*2:試し乗りって距離じゃないってツッコミは野暮です。