さわっても熱くない花火

ちょっとした驚きを食べながら生きています

インターネットと名取さなと私 ~名取さな 2nd Live「独ゼン者」 感想文~

名取さな 2nd Live 「独ゼン者」に行ってきました。

bakutan.natorisana.com


主観勢い感想です。見てない人には「何言ってるんだ?」って思われそうだし、見た人にも「何言ってるんだ?」って思われる気もしています()

行く前

行く前は
「今回の新曲たちは、ロックと言うかなんというか、主張の激しい…曲ばかりだけど大丈夫かな?」
「名取に本当にそういった意図はあって、意図はあったとして本当にそういう方向に尖った空間を作れるのかな?作る覚悟はあるのかな?」
などとよくわからない心配をしていました。

行った後

ちゃんとロックしてました。脱帽です。すごい!!!*1
やっぱり彼女は同じインターネットを長年生きてきた者なんだなーとしみじみ感じました。

あの頃のインターネット

あの頃のインターネットは確実に私達のものだったと思います。
そこの空気は同質でありながら、多様性に寛容で、「みんな違う」が当たり前で。だから同じ種類の人間に出会えたときはすごく感動したし、常に世界の広さを感じることができた気がします。
また、ちょっとくらい恥ずかしい思いをしてもオオゴトにはならず、そこには確かに心理的安全性があったと思います。

最近のインターネット

今の世界には、あの頃願っていたインターネットの「未来の形」が実現されました。皆がつながり、インターネットがないと社会は世界は回らない。
私達が、おまいらが、すごいと言っていたものは本当にすごくて、インターネットは本当に社会を変えた…それが今なのでしょう。

しかし結果としてインターネットが「私」そして「おまいら」だけの物…ではなくなりました。
どんな突飛な意見を持っていても必ず仲間が見つかる。そんな世界になりました。インターネットには多様が溢れています。
でも結果として、集まって、同調して、均一で、多様性に寛容とは言えない世界が目の前にあると思っています。

対立、嫉妬、見栄、価値観、正義、政治、宗教、貧富、人種、性別、年齢、職業…あらゆるボーダーが顕在化し、皆心地良いように群れ、刺激的な事柄に一喜一憂し、ボーダーの向こう側を見ては思わなくても良い余計なことを感じ、同調圧力と排他、見栄えと虚構に揉まれる世界になってしまいました。
ちょっとしたミス、少しの「違和感」がオオゴトになる。みんな常に人の目を気にしたり、人と比較したりしている。そんな殺伐とした雰囲気にいつからなってしまったのでしょう。

世界は広くなったはずなのに、結果として狭くて窮屈に感じる…そんな風にここ数年はずっと思っています。

まぁ要はあの頃みたいにインターネットが楽しいわけじゃないんですよ。いや楽しいんですけど、あの頃の楽しさはもう無いんですよ。
とはいえインターネットはやめられない。

何なら私に至ってはインターネットのお陰でおまんまを食わせてもらっているわけです。インターネット様々です。やめられるわけがない。

でもインターネットが、ITが、もっと生活を豊かにしたり、人々を幸福にする。楽に最高に暮らせる世界を作ってくれる。そう思っていたわけですよ。
蓋を開けてみれば、すごく便利にはなったし、より良くなったとは思います。あの頃と比べて社会全体としては確実に良いものになったと思います。ですが一方で、社会は複雑化し、生活は労働は高い知能指数を要するようになり。何なら一握りの天才以外は、みんな苦手な面を必死に隠しながら、頑張って順応して、高度な知的労働を行ったり、複雑な意思決定や操作を行って生きる羽目になっているわけですよ。
インターネットを覗けばいくらでも深淵はあって、「やばいな」と思いながら、「でも一歩踏み外せばあぁなっちゃうんだな」って感じさせられる…薄氷の上をスキップして進むような感覚が今の社会にはあると思います。

「こんなはずじゃなかった気がする。」
そんな気持ちを、あの頃のインターネットを過ごした同世代はきっと多かれ少なかれ思ったことはあると思います。

要はそういう話だったと思います。解釈一致です。

「何者かじゃない!!お前がお前なだけで最高なんだよ~!!」

でも、まだ、インターネットは捨てたものじゃない

こんなにもその気持ちを代弁してくれる人がいる。
こんなにも真摯に、インターネットとオタクに向き合って、その課題を解決するために思いを伝えてくれる人がいる。

これまでの名取には無い、ストレートで大変泥臭い感じはしましたが、その強くて熱いリリックは確かに伝わってきました。

そしてそれを受けとめながら、こんなにも同質で多様性のある人々が集った世界がちゃんとそこには構築されている。
いいはなし。まだインターネットは捨てたものじゃないのかもしれないですね。


名取はこれまで手を変え品を変え、そういったことを伝えてくれていたんだなって今日改めて感じました。

www.youtube.com



これからのトレンドはポジティブ!順張り!

逆張りも冷笑ももう終わりだ!

時代はポジティブ!順張り!楽しくやっていこう!

メタ的感想

演出すごい!
錯視もうまく使って、本当にちゃんと「そこにいる感」を構築していて、素直にすごいなーって思いました。てかトラッキングすごいな (小並感)
レーザーと映像のリンクとかマジでかっこよかったし、技術的にもヤバイなーとは思いました (小並感)
レイトレーシングをここまでちゃんとした3Dライブをリアルタイムでこんなにもできるようになっているというのは本当に良い話です。バーチャルの存在でもこんなに「リアル」に感じられるんだと終始感動していました。
今の時代、テクノロジーも表現も、本当に進歩していて最高ですね!

また、そういったライブをいわゆる「個人勢」でできる時代になっているというのが本当に感動的です。
そういう意味でもインターネットはまだまだ捨てたものじゃないですね!本当に最高!

曲も演奏も非常に良くて、大変とてもすごく良いライブでした!!!!

ただまぁ、私は可愛い曲が一番好きなので、もっとそういうやつをなんというか…次のライブはいっぱいやってくれることも期待していますw
(ミツキヨさんかわいいソングとかが書き下ろし曲でやってきたら、まじでテンション上がるので頼むーーーー頼んだ!!!!!)

それにしても、よく言ったなぁーって気持ちはある

今回の名取の発信した思想は、いわばVTuber含めたライバービジネスにおけるマーケティング戦略に対して異を唱えるようにも見えますよね。
現在のライバー文化(推し文化と言ってもいいかもしれません)は、すべてがとは言いませんが、色恋営業的側面がそれなりに含まれていると思っています。たまに「インターネットキャバクラ」と揶揄されますがそれは言い得て妙な場面も多いように思っています。
耳障りの良い言葉でファンを懐柔する…というそういった戦略に対して異を唱えたわけで、シンプルに「尖ってるなー」って気持ちにはなりますよね。*2

少なくともプロダクションに所属していた場合、組織のマーケティング方針とぶつかる可能性もある思想だとは思っており、個人勢だからこそ言えることなのかも?とも感じました。
人々が名取の言葉をどのように咀嚼するかはまだ見えてはいませんが、少なくともこの数時間Twitterを眺める限り、神妙な面持ちになっているせんせぇ(男性)はちらほら居そうな雰囲気を感じました。

そういう意味でもちゃんと「ロック」してたなーって気持ちです。

明日からも頑張ろう

名取には、同じインターネット世界を生きた世代として、インターネットのより良い形を思い続けてほしいなーと思いました。
インターネットに誠実で、オタクに誠実で、それらの幸せな未来を願っている人がインターネットの中心地にちゃんといる…この事実は本当にありがたい話です。

名取を見ていて「もっと媚びれば有名になってボロ儲けもできるだろうに」と思ったこともあります。名取にはもっとビッグになってほしいですし。
でも、それは名取の思う「やりたいこと」では無いのかもしれないですね。そういう風に感じました。

これからのインターネットが、おまいらが、少しでもより良くなって行きますように。
そして願わくば、名取の人生にもさらなる幸がありますように。




本当にありがとう

いいライブを本当にありがとうございました!
2025年にこんな良質な「インターネット」を享受できて、嬉しさでいっぱいです!

本当にありがとう!!!!

これからも「ていねいなインターネット生活」を心がけていきたいと改めて思いました!

www.youtube.com


次もライブしてくれるかな?楽しみにしています!

*1:私の語彙力がないのでロックと表現しているけど、曲調の話ではなく、課題提起だったり主張だったりが強かったの意です。

*2:自己矛盾になりかねない発信だとも思います