さわっても熱くない花火

ちょっとした驚きを食べながら生きています

おとなになったのでつよつよPCを作った (Ryzen 9 3950X + RAM64GB + RTX2060Super + NVMe 1TBx2 RAID0)

気がつけば夏が終わりました。引きこもってたらあっという間です。yanoshiです。皆様いかがお過ごしでしょうか?

皆さん最近PC-DIYしていますか? 自作PCは良いものです。 私も10年ほど前は多くの時間をそれに費やしていました。


しかし時は経ち、x86系CPUの成長は長らく停滞します。その期間、端的に言うと自作にあまり価値を見いだせなくなっていました。 私の立場もうつろい、時には研究室にてつよつよPCを構築し、時には会社でつよつよノートPCを購入し、「別に個人で強いPCを持たなくても良いのでは?」と思った時もありました。


そんな中!あの!Ryzenシリーズ(Zenアーキテクチャ)が登場したわけですよ!

Phenom II以降はパッと来たものが出ておらず、Bulldozer系になって「いよいよこれはだめだろ」ってなってたあの!AMDから!突然ね。

AMDが冴えなかったのは間違いないですが、一方のIntelもまぁまぁ冴えていませんでした。みんなも思ってたよね?「Sandy Bridgeで十分じゃね?」って。Haswell出て以降、チックタック戦略は破綻したまま。 思えばIvy Bridgeの「要殻割り」な製造になったタイミングからなんだか雲行きが怪しくなってきてたんだよなぁ…どうしてソルダリングを使わない…

インテル チック・タック - Wikipedia

そんな停滞感をRyzenがカッコよくひっくり返してくれました!

すげぇよジム・ケラー!ありがとうジム・ケラー!

Ryzenの登場から「久しぶりに自作PCするかー」みたいな気持ちが高まってきていました。 しかしながら登場時は折しも社会人なりたて。シンプルにお金が無い。そうこうしていたら買い時を逃してしまいました。


さて、前振りが長くなりましたが、2019年11月、ついにZen2アーキテクチャな新CPU、Ryzen 9 3950Xが登場しました。 そして給料明細を見ると昔に比べると成長しています。

更にはお国から10万円もお金がもらえるらしいじゃないですか!

これはやるしかない!

そんなこんなで「ぼくのかんがえた最強のパソコン」ってやつを久しぶりに作ってみました。そんなメモ。

※4月にパーツを買って組んだと言う感じなので、ちょっと旬なネタじゃないのはご愛嬌…


コンセプト

自作PCにはコンセプトが大切だと思っています。流石に「全部フルスペックで」ってのはいくら成長した給料明細でも太刀打ちできません。

雑に書き出すとこんな感じ。細かい話は後述のこだわりポイントで記載しています。

  • ケースにも金を掛ける
  • ブースト時のクロックを優先しつつコア数マシマシ
  • 潤沢なNVMe SSD
  • GPUは後からどうせ買い換えれば良いのでほどほどのコスパ良いライン
  • メモリーはあんまり速度を犠牲にせずにそれなりの容量で


スペック表

で、スペック表と参考価格(2020年4月当時の値段) はこんな感じ。

具材 品名 価格
CPU AMD Ryzen 9 3950X 96,536円
CPUクーラー Corsair H150i PRO RGB 21,125円
メモリー Crucial PC4-25600 (DDR4-3200)288pin UDIMM 32GB(16GB×2枚) x 2 31,760円
GPU MSI GeForce RTX 2060 SUPER VENTUS XS J OC 48,311円
SSD CFD M.2 NVMe PCI-E Gen.4 1TB x 2 (RAID0) 43,956円
マザーボード ASRock X570 Steel Legend 25,570円
HDD WD 2TB Blue WD20EZAZ-RT x 3 19,254円
電源 ANTEC NE750 GOLD 10,889円
ケース Fractal Design Define R6 - Black USB 3.1 Gen2 USC-C 16,644円
光学ドライブケース ラトックシステム USB3.0 5インチドライブケース RS-EC5-U3X 11,008円
その他:
NVMeヒートシンク
長尾製作所 M.2 SSD用ヒートシンクカバー x 2 2,728円
その他:
USB3.1 Gen2 Type-E 20ピン拡張カード
EASYDIY M.2 PCIeアダプタ USB3.1 Gen2 Type-E 20ピン拡張カード 2,899円

ということで、総計32万円*1オーバーのモンスターマシンとなりました。 いぇーい。おとなってすごい!

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パーツ俯瞰図

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CPU-Z

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性能レビュー

圧倒的ベンチマークスコア

お決まりのやつです。室温は26.5度で測定しました。

CINEBENCH R20 Multi: 8663

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CINEBENCH R20 Multi

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CINEBENCH R20 Multiを動かした後のHWMonitor

CINEBENCH R20 Single: 497

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CINEBENCH R20 Single

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CINEBENCH R20 Singleを動かした後のHWMonitor

3DMark Time Spy: 8842

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3DMark Time Spy

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3DMark Time Spyを動かした後のHWMonitor

VRMark Orange Room: 11957

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VRMark Orange Room

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VRMark Orange Roomを動かした後のHWMonitor

PCMark 10: 6769

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PCMark 10

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PCMark 10を動かした後のHWMonitor

www.3dmark.com

ストレスの無い世界

過去の使っていたPCがかなり古い子だったので、それとのギャップに感動しています。

ちなみに前の子に関する記事はこちら。

yanoshi.hatenablog.jp

圧倒的ストレージのパワー

速い。この速度で2TBもあるんだから最高です。

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9GB/sくらい出ててえらいぞ!

25台仮想マシンを立ち上げてみた

なんか話の流れで25台の仮想マシンを試しに動かしてみたのですが、案外動きました。すごいなおい。

4面ディスプレイ出力も気軽に

常時3面ディスプレイ出力、かつ4Kテレビを繋いでいるのですが、サクサク軽快です。

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4面出力時の例(4K + WQHD + WUXGA + WUXGA)

ちなみにこのディスプレイ、前回の記事でも紹介したように10mのHDMIケーブルで接続していたりします。

余談ですが、これを組むちょっと前にEIZOのディスプレイたちや椅子も導入したので、マジで神環境って感じです。最高。

VRゲームもらくらく動く

「Oculus Quest + Oculus LinkでVRゲームがサクサク動けば良いなぁ」と思って組んだのですが、ちゃんと動きました。素敵。

せっかくなのでベンチマークがてらVirtualMotionCaptureでバ美肉しながらBeatSaberをやってみました。

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com

ただ動画を書き出したらたまにコマ落ちするんだよね。動画出力先をHDDにしていたのが悪いのかな…

こだわりポイント

ケースにもお金をかけた

「ケースなんて適当に組みやすそうな3000円くらいの物を電気街で見繕えば良いだろう」って形で過去何台ものPCを組んできました。

確かにケースなんて適当でもPCは動きます。ドヤ顔で「エアフローは重要」と言う人もいますが、ファンさえ良いものを使っておけば一応は冷えます。

雑なケースの問題点は「メンテナンス性が悪い」「ゴツいパーツが入らない」「組んでいると怪我をする(物理的に)」だと過去の経験で学びましたが、なんでも話によると高いケースはとても静からしいです。 ってことで今回は生まれてはじめてケースにお金を掛けてみました。

数あるケースの中で何にしようかかなり悩んだのですが、「静粛性」「拡張性」「フロントにUSB 3.1 Type-Cがついている」「高さ50cm以下」ってところで探した所、Fractal DesignのDefine R6にたどり着きました。 (ホントは大型水冷ファンを付けた状態で光学ドライブを内蔵させたかったのですが…それは叶わず)

www.fractal-design.com

噂通り吸音材がいっぱい入ってます。作りもかなりしっかりしています。

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シンプルだけど作りやすそうな雰囲気

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吸音材

組むまでは半信半疑だったのですが、ほんとに静か。びっくりしました。 もっと早くこの体験に気がつくべきでした。ケースでこんなに変わるとは…

ちゃんとNVMeを冷却

会社の同僚が使っているPCもNVMeが熱暴走し大変だったりしていて、NVMeの冷却については特に気になっていました。

ASRock X570 Steel LegendはちゃんとNVMeスロット付近にファンが付いているのですが、結構可愛らしいものでちょっと心もとない気持ちもしており…

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X570 Steel LegendのNVMeスロット付近

ググってみた所、やっぱり同じような課題感を感じている人が居ました。 やはり少し細工をしたほうが良さそうです。ってことで冷却方法を参考にしてみました。

www.youtube.com

長尾製作所の冷却シンクを使ってみます。

長尾製作所 SS-M2S-HS02

長尾製作所 M.2 SSD用ヒートシンクカバーSS-M2S-HS02

長尾製作所 M.2 SSD用ヒートシンクカバーSS-M2S-HS02

  • 発売日: 2017/03/15
  • メディア: Personal Computers

これをNVMeの裏面をカバーする様に付けてみます。

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NVMe表面

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NVMe裏面

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ASRock X570 Steel Legendに付けた時の図

Before/Afterがあるわけではないのでどの程度効果があったかは分かりませんが、ベンチマークを何度とってもサーマルスロットリングが発生した雰囲気はなかったのでおそらく効果はあったのでしょう。

RAID0構成にしたNVMe

最近はNVMeでRAID0構成が組めるらしいです。 ってことで組めるマザーボードを選びました。ASRockではNVMe RAID modeって呼んでいるらしいですね。

初期のUEFIのバージョンだとメニューが登場せずちょっとドキドキしたのですが、最新版にアップデートした所ちゃんと出てきました。

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NVMe RAID mode

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RAIDXpert2 Configuration Utility上のNVMe

総評

ということで個人的にはかなり満足度の高いPCを組むことができました。おとなってすごい!

特にOCとかそういった意味での楽しいことはしていないので、その辺りの伸びしろはよく分かりませんが、かなり安定した構成になったようには思っています。

強いて言うならマザーボードをもう一段上のものにしても良かったかもしれません。 マザーボード上にフロント用のUSB 3.1 Gen2(USB Type-C)コネクタが無く結局ボードを買い足すことになったりしてしまい、ちょっとミスったなーと言う気持ちにはなりました。

まぁそれくらいしか不便なポイントが無いくらいなので、良いお金の掛け方ができたように思っています。

RTX3xxx系が発表されたことですし、今後ちょびっとずつGPUを交換しながら数年は使っていこうと思っている今日このごろです。

年末にはZen3も登場するようです。 シングルスレッドの性能向上とI/Oの性能向上を狙っているようで、順当な進化系となってそうですよね。 ここから数年間はPC-DIYが楽しい時期が続きそうで個人的には嬉しい限りです。

Q. で、そんなPC組んで何するの?
A. Twitter!

おしまい。

余談

PCMark系のソフトウェアがSteamで買えるようになってた

時代の変化を感じました。まさかSteamで買えるとは。

なおかつセールをやっていてですね。手が滑って有料版を買ってしまいました。

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3DMark + PCMark + VRMark 合わせて917円! 安い!

GPUの電源制御を切らないと描画がもたつく

実は自分用のPCにNVIDIA GPUを使うのは今回が初めてで。思えばずーーーっとRadeonを使い続けてきてました。

最近のNVIDIA GPUがそうなのか、それとも過去からずっとそうなのか、よく分かりませんが、画面描画時にGPUのクロックが上手く上がらないみたいでもたつくような現象を観測しました。

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電源管理モードを「パフォーマンス最大化を優先」に設定

メモリーについて

Ryzenはメモリー選択でかなり性能が変わるというのは前々から言われていた事だと思っています。

「その辺りは割と雑にやってしまったなぁ」と思っているところがあり、そこはもう少し拘ればよかったと思えるポイントです。

blog.livedoor.jp

CL22とかなので、面白みの無いメモリーですよね。

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CPU-Z Memoryタブ

CINEBENCH R20のスコアが若干低い

前述のメモリーが遅い事が原因なのかな? そういえば、ブーストクロックもほぼ4.7GHzに行ってない気が…

試しにPrecision Boost Overdriveを有効にしてみてもそこまですごい数値にはならず。 (そもそもこれを有効にした場合、定格と呼んで良いのだろうか…?)

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Precision Boost Overdrive有効時のCINEBENCH R20のスコア(9031pts)

インターネット上を見た限り、9200くらいは出てくれても良いんですけどね。

画像集

せっかくなのでパシャパシャ撮った写真を貼っておきます。

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こんなにNVMeが並んでいるのにテンションがあがってしばらく拝んでましたw

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水冷を使ったのがH50ぶりなので、ファンが3つもあることでこんなにも施工が大変だとは思ってませんでした

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Ryzenの箱!

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RYZENって書いてある

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見た目もとても良いCPUだと思います

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Corsair H150i PRO、日本語の説明って書いてないんですね

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割とシュッと収まったので満足です

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全パーツを入れたらこんな感じ。裏側にケーブルを全部通せるのは良いものです。

*1:OSについては既存の使ってたPCのライセンスを使いまわし