気がつけば夏が終わりました。引きこもってたらあっという間です。yanoshiです。皆様いかがお過ごしでしょうか?
皆さん最近PC-DIYしていますか? 自作PCは良いものです。 私も10年ほど前は多くの時間をそれに費やしていました。
しかし時は経ち、x86系CPUの成長は長らく停滞します。その期間、端的に言うと自作にあまり価値を見いだせなくなっていました。 私の立場もうつろい、時には研究室にてつよつよPCを構築し、時には会社でつよつよノートPCを購入し、「別に個人で強いPCを持たなくても良いのでは?」と思った時もありました。
そんな中!あの!Ryzenシリーズ(Zenアーキテクチャ)が登場したわけですよ!
Phenom II以降はパッと来たものが出ておらず、Bulldozer系になって「いよいよこれはだめだろ」ってなってたあの!AMDから!突然ね。
AMDが冴えなかったのは間違いないですが、一方のIntelもまぁまぁ冴えていませんでした。みんなも思ってたよね?「Sandy Bridgeで十分じゃね?」って。Haswell出て以降、チックタック戦略は破綻したまま。 思えばIvy Bridgeの「要殻割り」な製造になったタイミングからなんだか雲行きが怪しくなってきてたんだよなぁ…どうしてソルダリングを使わない…
そんな停滞感をRyzenがカッコよくひっくり返してくれました!
すげぇよジム・ケラー!ありがとうジム・ケラー!
Ryzenの登場から「久しぶりに自作PCするかー」みたいな気持ちが高まってきていました。 しかしながら登場時は折しも社会人なりたて。シンプルにお金が無い。そうこうしていたら買い時を逃してしまいました。
さて、前振りが長くなりましたが、2019年11月、ついにZen2アーキテクチャな新CPU、Ryzen 9 3950Xが登場しました。 そして給料明細を見ると昔に比べると成長しています。
更にはお国から10万円もお金がもらえるらしいじゃないですか!
これはやるしかない!
そんなこんなで「ぼくのかんがえた最強のパソコン」ってやつを久しぶりに作ってみました。そんなメモ。
※4月にパーツを買って組んだと言う感じなので、ちょっと旬なネタじゃないのはご愛嬌…
コンセプト
自作PCにはコンセプトが大切だと思っています。流石に「全部フルスペックで」ってのはいくら成長した給料明細でも太刀打ちできません。
雑に書き出すとこんな感じ。細かい話は後述のこだわりポイントで記載しています。
- ケースにも金を掛ける
- ブースト時のクロックを優先しつつコア数マシマシ
- 潤沢なNVMe SSD
- GPUは後からどうせ買い換えれば良いのでほどほどのコスパ良いライン
- メモリーはあんまり速度を犠牲にせずにそれなりの容量で
スペック表
で、スペック表と参考価格(2020年4月当時の値段) はこんな感じ。
具材 | 品名 | 価格 |
---|---|---|
CPU | AMD Ryzen 9 3950X | 96,536円 |
CPUクーラー | Corsair H150i PRO RGB | 21,125円 |
メモリー | Crucial PC4-25600 (DDR4-3200)288pin UDIMM 32GB(16GB×2枚) x 2 | 31,760円 |
GPU | MSI GeForce RTX 2060 SUPER VENTUS XS J OC | 48,311円 |
SSD | CFD M.2 NVMe PCI-E Gen.4 1TB x 2 (RAID0) | 43,956円 |
マザーボード | ASRock X570 Steel Legend | 25,570円 |
HDD | WD 2TB Blue WD20EZAZ-RT x 3 | 19,254円 |
電源 | ANTEC NE750 GOLD | 10,889円 |
ケース | Fractal Design Define R6 - Black USB 3.1 Gen2 USC-C | 16,644円 |
光学ドライブケース | ラトックシステム USB3.0 5インチドライブケース RS-EC5-U3X | 11,008円 |
その他: NVMeヒートシンク |
長尾製作所 M.2 SSD用ヒートシンクカバー x 2 | 2,728円 |
その他: USB3.1 Gen2 Type-E 20ピン拡張カード |
EASYDIY M.2 PCIeアダプタ USB3.1 Gen2 Type-E 20ピン拡張カード | 2,899円 |
ということで、総計32万円*1オーバーのモンスターマシンとなりました。 いぇーい。おとなってすごい!
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性能レビュー
圧倒的ベンチマークスコア
お決まりのやつです。室温は26.5度で測定しました。
CINEBENCH R20 Multi: 8663
CINEBENCH R20 Single: 497
3DMark Time Spy: 8842
VRMark Orange Room: 11957
PCMark 10: 6769
ストレスの無い世界
過去の使っていたPCがかなり古い子だったので、それとのギャップに感動しています。
へへへ。CPU使用率80%くらいつかってやっと再生していたAV1がこんなにもスマートに。 pic.twitter.com/kkuZ6ptFSF
— yanoshi (@yanoshi) 2020年4月18日
ちなみに前の子に関する記事はこちら。
圧倒的ストレージのパワー
速い。この速度で2TBもあるんだから最高です。
すごいぞ!PCI-E 4.0なNVMeがRAID0で2TBだぞ!!!もうわけがわからないぞ!!!
— yanoshi (@yanoshi) 2020年4月13日
25台仮想マシンを立ち上げてみた
なんか話の流れで25台の仮想マシンを試しに動かしてみたのですが、案外動きました。すごいなおい。
とりあえずきつねさんの要望通り25台作ってみた。今から起動させてみる(驚くべきほどストレージ食うねやっぱり) pic.twitter.com/YixnELmKGE
— yanoshi (@yanoshi) 2020年6月13日
とりあえず立ち上がった状態がこんな感じ。普通に動いてはいるね。今度は全部ウインドウ立ち上げてみる。(ページファイルに載ったせいでメインディスク凄いことになっているけど、全くTwitterする分には影響出てないね。) pic.twitter.com/wcyIT80lO6
— yanoshi (@yanoshi) 2020年6月13日
25台のWindows 10を同時に動かして接続してみても、案外動作するんですねこのPC…凄いなぁ。 pic.twitter.com/u8FeUw5ejn
— yanoshi (@yanoshi) 2020年6月13日
起動している時、「The起動している感で良い」。 pic.twitter.com/D74zp13Hjs
— yanoshi (@yanoshi) 2020年6月13日
4面ディスプレイ出力も気軽に
常時3面ディスプレイ出力、かつ4Kテレビを繋いでいるのですが、サクサク軽快です。
ちなみにこのディスプレイ、前回の記事でも紹介したように10mのHDMIケーブルで接続していたりします。
余談ですが、これを組むちょっと前にEIZOのディスプレイたちや椅子も導入したので、マジで神環境って感じです。最高。
パワーじゃん。 pic.twitter.com/un7Eo0UfoK
— yanoshi (@yanoshi) 2020年2月2日
えへへー全部EIZOだよぉー pic.twitter.com/s1DxIfJqj9
— yanoshi (@yanoshi) February 3, 2020
My new gear! pic.twitter.com/CAioceMUka
— yanoshi (@yanoshi) 2020年3月14日
VRゲームもらくらく動く
「Oculus Quest + Oculus LinkでVRゲームがサクサク動けば良いなぁ」と思って組んだのですが、ちゃんと動きました。素敵。
せっかくなのでベンチマークがてらVirtualMotionCaptureでバ美肉しながらBeatSaberをやってみました。
ただ動画を書き出したらたまにコマ落ちするんだよね。動画出力先をHDDにしていたのが悪いのかな…
こだわりポイント
ケースにもお金をかけた
「ケースなんて適当に組みやすそうな3000円くらいの物を電気街で見繕えば良いだろう」って形で過去何台ものPCを組んできました。
確かにケースなんて適当でもPCは動きます。ドヤ顔で「エアフローは重要」と言う人もいますが、ファンさえ良いものを使っておけば一応は冷えます。
雑なケースの問題点は「メンテナンス性が悪い」「ゴツいパーツが入らない」「組んでいると怪我をする(物理的に)」だと過去の経験で学びましたが、なんでも話によると高いケースはとても静からしいです。 ってことで今回は生まれてはじめてケースにお金を掛けてみました。
数あるケースの中で何にしようかかなり悩んだのですが、「静粛性」「拡張性」「フロントにUSB 3.1 Type-Cがついている」「高さ50cm以下」ってところで探した所、Fractal DesignのDefine R6にたどり着きました。 (ホントは大型水冷ファンを付けた状態で光学ドライブを内蔵させたかったのですが…それは叶わず)
Fractal Design Define R6 - Black ミドルタワー型PCケース CS7007 FD-CA-DEF-R6-BK
- 発売日: 2018/01/26
- メディア: Personal Computers
噂通り吸音材がいっぱい入ってます。作りもかなりしっかりしています。
組むまでは半信半疑だったのですが、ほんとに静か。びっくりしました。 もっと早くこの体験に気がつくべきでした。ケースでこんなに変わるとは…
ちゃんとNVMeを冷却
会社の同僚が使っているPCもNVMeが熱暴走し大変だったりしていて、NVMeの冷却については特に気になっていました。
ASRock X570 Steel LegendはちゃんとNVMeスロット付近にファンが付いているのですが、結構可愛らしいものでちょっと心もとない気持ちもしており…
ググってみた所、やっぱり同じような課題感を感じている人が居ました。 やはり少し細工をしたほうが良さそうです。ってことで冷却方法を参考にしてみました。
長尾製作所の冷却シンクを使ってみます。
長尾製作所 M.2 SSD用ヒートシンクカバーSS-M2S-HS02
- 発売日: 2017/03/15
- メディア: Personal Computers
これをNVMeの裏面をカバーする様に付けてみます。
Before/Afterがあるわけではないのでどの程度効果があったかは分かりませんが、ベンチマークを何度とってもサーマルスロットリングが発生した雰囲気はなかったのでおそらく効果はあったのでしょう。
RAID0構成にしたNVMe
最近はNVMeでRAID0構成が組めるらしいです。 ってことで組めるマザーボードを選びました。ASRockではNVMe RAID modeって呼んでいるらしいですね。
初期のUEFIのバージョンだとメニューが登場せずちょっとドキドキしたのですが、最新版にアップデートした所ちゃんと出てきました。
総評
ということで個人的にはかなり満足度の高いPCを組むことができました。おとなってすごい!
特にOCとかそういった意味での楽しいことはしていないので、その辺りの伸びしろはよく分かりませんが、かなり安定した構成になったようには思っています。
強いて言うならマザーボードをもう一段上のものにしても良かったかもしれません。 マザーボード上にフロント用のUSB 3.1 Gen2(USB Type-C)コネクタが無く結局ボードを買い足すことになったりしてしまい、ちょっとミスったなーと言う気持ちにはなりました。
まぁそれくらいしか不便なポイントが無いくらいなので、良いお金の掛け方ができたように思っています。
RTX3xxx系が発表されたことですし、今後ちょびっとずつGPUを交換しながら数年は使っていこうと思っている今日このごろです。
年末にはZen3も登場するようです。 シングルスレッドの性能向上とI/Oの性能向上を狙っているようで、順当な進化系となってそうですよね。 ここから数年間はPC-DIYが楽しい時期が続きそうで個人的には嬉しい限りです。
Q. で、そんなPC組んで何するの? A. Twitter!
おしまい。
余談
PCMark系のソフトウェアがSteamで買えるようになってた
時代の変化を感じました。まさかSteamで買えるとは。
なおかつセールをやっていてですね。手が滑って有料版を買ってしまいました。
GPUの電源制御を切らないと描画がもたつく
実は自分用のPCにNVIDIA GPUを使うのは今回が初めてで。思えばずーーーっとRadeonを使い続けてきてました。
最近のNVIDIA GPUがそうなのか、それとも過去からずっとそうなのか、よく分かりませんが、画面描画時にGPUのクロックが上手く上がらないみたいでもたつくような現象を観測しました。
メモリーについて
Ryzenはメモリー選択でかなり性能が変わるというのは前々から言われていた事だと思っています。
「その辺りは割と雑にやってしまったなぁ」と思っているところがあり、そこはもう少し拘ればよかったと思えるポイントです。
CL22とかなので、面白みの無いメモリーですよね。
CINEBENCH R20のスコアが若干低い
前述のメモリーが遅い事が原因なのかな? そういえば、ブーストクロックもほぼ4.7GHzに行ってない気が…
試しにPrecision Boost Overdriveを有効にしてみてもそこまですごい数値にはならず。 (そもそもこれを有効にした場合、定格と呼んで良いのだろうか…?)
インターネット上を見た限り、9200くらいは出てくれても良いんですけどね。
画像集
せっかくなのでパシャパシャ撮った写真を貼っておきます。
*1:OSについては既存の使ってたPCのライセンスを使いまわし